里山
毎年行っている安曇野での絵本合宿。
今年は地元で地質を研究する地質学者より安曇野の土地の歴史を伺い、里山について改めて学ぶことが出来た。
▲少し高くなっている所が古墳
安曇野には古墳が残っていて、昔から人が住んでいる住みやすい環境の証だ。
また人とともに生育して来た赤松が景観の一つにもなっている。松は古くから人々の生活に身近な植物だ。しかし、ここのところ伐採が進んでいる。松食い虫による松枯れが大きな原因のようで、気がついたときにはもうその勢いは止められず、松を伐採して広葉樹に植え替える更新伐という方法がとられている。松林で保たれてきた安曇野の動植物の生態系も崩れてしまうのは仕方ないことかもしれないが、ずっと見守ってきた人にとっては赤松がなくなって行くのには切なさが残る。
人の生活とともに長い時間をかけて自然の中でつくられて来た、人が自然と共生出来る全くの自然と都会との中間地点の里山。
里山には人々が住む集落の周辺に自然を利用した田畑などの農地、牧場、二次森林、小川などがある、自然資源が豊富で豊かな感性を育ててくれる環境の良い所。自然への畏敬の念と理解も深まる、本来人の住みやすい場所だったはずだ。
大昔は都会があった訳ではないのだから、人の暮らしは里山へ街へ都会へと移って来た。都会の人口増加が止まらない中で、田舎へ移り住む人々はいるけれど地方の人口減少には追いつかない。
経済産業の変化などによる働き手の流出と高齢化などで、人の手が減り、里山も減って来ているという。 長い時間をかけて出来た里山、その生態系がまた変わろうとしている。
都会に住んでいる私が何を言っているということではあるが、時々、田舎へ行ってほっと人間らしさを取り戻すような、そんな風景が減りつつあるのだろうか。