yamayama_photo日記

心に残るよしなしごとを写真とともに書きとめる草ログ

天気雨の京都で印刷の立ち会いをした

 写真集の印刷立ち会いの付き添いで、京都へ行って来た。

印刷物には今まで沢山携わってきたけれど、実際の印刷立ち会いというのは初めての経験だった。

この印刷会社は美術印刷では名を馳せているサンエムカラー。アンドレアス・グルスキー、松江泰治、北井一夫などなど著明な作家の写真集や美術展の図録、ポスターなどを手掛け、美しいインクののりで、その技術は日本でも右に出るものはないと言われている。

工場はいくつかあり、私が入った工場にはドイツ製のハイデルベルグという印刷機が並んでいた。この大型の機械は手入れが良く美しく光っていた。隣りでは上田義彦氏の写真集にデザイナーが立ち会っていた。そのほか、次々にB1ポスターも出来上がり、並べられていった。

 ちょうど、始まるときに関西弁で作業着をまとった初老の男性が元気に挨拶に来てくれた。この方が伝説の会長の松井勝美氏だ。「この色はこれが自然やでっ!」と言われると納得してしまう勢いだった。

 

裁断前の面付けされた印刷物の周囲に色見本のようなものが印刷されているが、これの部分がインク量の調節をするポイントで、濃さの見本になると初めて知った。経験値が高い技術者の方がこちらの注文に応え、アドバイスをくれてどんどん色が調整されていった。印刷の調子を見るのにもそれなりの照明下で見るので、本当にきれいだった。

なお、この機械の調整をしてくれた方は東京の印刷会社で一番の技術者だった人で、ひきぬかれて京都へ来たそうだ。

技術は色の調整だけでなくいたるところに必要だった。紙送りのために印刷機に紙を揃えて置くことにも技があり、その作業の取得にも何年もかかるそうだ。 

消費されていく葉ものの印刷物と違い、ずっと残っていく写真集の制作には印刷にかける技術と思いが込められているのだと痛感した。

 2日にわたって立ち会いをし、1日目の曇り空から2日目は晴れ渡ったのだが、昼食後に喫茶店に入っていると急に大粒の雨が振り出した。しかし、向こうのほうの空は明るく、外に出ることには晴れていた。東京出身の出版社の社長が、京都の冬はよい天気でも日本海側から雪が風に乗って降って来たり、天気雨や通り雨が多いのだと話してくれた。

 

1月27日朝 8:30京都駅前集合 曇っている

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夕方に晴れはじめた

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ドイツ製印刷機ハイデルベルグ

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地元の出版社の方が話していた喫茶店フランソワ 夜遅くまでにぎわっていた

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