yamayama_photo日記

心に残るよしなしごとを写真とともに書きとめる草ログ

ヨコハマトリエンナーレ2014

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最終日にやっと見に行った。見応えがあった。
メインビジュアルを制作したはんこアーティスト葛西絵里香氏の活躍は嬉しかった。大胆で繊細な作品は手彫りでここまで!と感激する作品の数々。彼女の短大卒業制作の1000ポイントHelveticaを思い出した。一つ一つは小さいけれど、展示には彼女らしい遊びが入って、展示されているリノリウム版と版画が対応して展示されていることに気がついてふっと楽しくなったり、キャプションもリノカットの版画だったりと発見があった。しかし、作家にとって版を削ることは、自分自身の人生を削りあげるような厳しい作業のようなのではないかとも感じた。

釜ヶ崎大学もとても良かった。表現するということはやっぱり人に元気を与えてくれると再確認出来た。

 

アーティスティック・ディレクターの森村泰昌氏のメッセージ「忘却の海」による展示はシリアスで、今までのヨコトリのイメージとはちょっと違う印象だった。現代社会が大量消費して来たものたちを忘却してきたこと、記憶にものらないものなどに思いを馳せることによって、確かに違うものや今まで見えなかったことが見えて来たように思う。

1960年頃の松澤宥氏や奈良原一高氏など少し前の表現を多く展示していたが、どれもみな主張することがはっきり表され、ぶれていなかった。森村氏が言っている「芸術の良心」を持つという作品が並んでいたように思う。今回それらの作品を見て、以前に見たのとは違う印象を受けた。多分、それらの作品が制作された時代から現代までに多くの表現や価値観が生まれ、多くの波があったのも見て来たからかもしれない。

今年のヨコトリには今の時代に必要とされているような、芸術の冒険や良心があるように感じた。

 

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