yamayama_photo日記

心に残るよしなしごとを写真とともに書きとめる草ログ

世界を変える美しい本 インド タラブックスの挑戦

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板橋区立美術館で11月25日からインドタラブックスの展覧会がはじまった。
初日のトークショウはスマフォタイムからという、なんでも撮っておきたくなる参加者の気持ちを理解しての楽しくなる趣向だった。


展示はとても充実してタラブックスの世界を堪能出来ましたが、じっくり見るには時間が足りなかった!
西洋から届く本だけでなく、インドの文化に根ざした現代の本を作る理念を創設者の二人のギータさんと、アーティストチームで守ってきたクオリティの高い本の数々。伝統や宗教観、生活環境が日本とは異なるインドで出版された本からは、歴史と今の生活を愛しむ人々の心が伝わってくる。それは手製本の紙の感触とも繋がる。


スクロールブックという巻物は古いサリーで裏打ちされた珍しくも美しい本で、天井から下がっている様を見ると、インドの民芸品もアートとして扱われていることがわかる。タラブックスは土着の民族画家にも著作権について教え、インドでは認識のなかった権利を守れるようにしたそうだ。

 

タラブックスを代表する手隙きの紙にシルクスクリーンプリントで手製本された本や、手の込んだ仕掛けの本、無名の作家の絵本などを手がけ、編集やデザインにもこだわって出版社を続けるには、多くの困難とそれを超える人々との繋がり、喜びもあることだろうと思う。それは小さな出版社だからこその力かもしれない。展覧会のタイトルが『インド タラブックスの挑戦』となっていることにも深い意味を感じる。この展示が行われて、タラブックファンもたくさんいるという状況はデジタル時代において紙の本の良さが理解されており、未来に希望が持てるようにも感じる。
それにしても、この出版社のスタッフの笑顔を見ているとみな幸せそうに輝いていて、こちらもワクワクしてくる。インドのチェンナイにある社屋のブックビルディングにある会社はとても環境の良い空間と、福利厚生も整えられているそうだ。

本の他にヤレのプリント(ミスプリント)を使ったノートなども収入源として販売されていて魅力的だが、今回は展示台に施されたり、7月に発行された「タラブックス インドの小さな出版社、まっすぐに本をつくる」の愛蔵特装版の表紙にも使われ、インクの匂いに心地よく酔えた。


印刷や製本などの丁寧な作業をしている人々の手の写真を見ると楽園のようで、とても大切な時間に見えてくる。シルクスクリーンのインクの美しさにも触れて、何年ぶりかにシルクスクリーンや本作りをやって見たくなった。

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