yamayama_photo日記

心に残るよしなしごとを写真とともに書きとめる草ログ

同じ地球に住む命

福島原発の20km地域までの避難が決定された。住民でもこの地域に入ることは出来ない。
畜産業の方々は家畜をそのままのこして避難されたそうだ。警戒区域になる前は時々餌を与えにいっていたこともあったようだが、手塩をかけられて育ってきた家畜には充分な餌も与えられずに多くの残された家畜は死んでしまったり、衰弱してしまっている。
野牛となって村を走っている牛の姿もニュースで流れた。日本で野牛とは、はじめて耳にした。

今週、南相馬市では衛生の観点から、生き残って衰弱している家畜は所有者の確認をとって殺処分することを決めた。獣医と役所員のチームが警戒区域にはいり家畜の状況を見て回っているようだ。
テレビで見た様子では、職員が牛舎に入ると牛が餌を求めて鳴き、近づいてきた。けなげに生きている。死んでいた子牛などは集められたそうだ。死んだ家畜と一緒に舎にいれば衛生問題がでてくる。
牛、馬、豚、鶏などかなりの数の家畜だ。すべての家畜をどこかに移動させることは難しい。なんとか、移動先の牧場など見つけられればよいが、いずれ皆死んでしまうか、衰弱して殺されてしまう。
何代も続いた農場や、やっと軌道に乗ってきた酪農家などテレビで紹介されていた。家畜の殺処分に同意せざるを得ない方々の気持ちを考えると言葉がない。

人の命を優先するために犠牲をともなっていることは本当に多い。やりきれない気持ちになるし、気がつかない振りをしたいけれど、忘れてはならない。仕方ないではすまされないし、だからといってどうしたものか。どうしたら一番良いのかとは考えらるが、これが正しいということは今のところないのだろう。

ペットについても獣医や県の職員が生き延びている犬や猫を捕獲し、インターネットなどで飼い主を捜していると聞いた。

乃木坂の国立新美術館。春陽展をぎりぎり日曜日に見に行った。名前のごとく春の陽のように柔らかい色彩豊かな作品が多かった。シュールリアリズム展もアーティストファイル2011も開催中だった。毎年開催のアーティストファイルは4月が来たという気にさせる。見終わって気がつくと春めいていた周囲の風景も、すでに新緑で気持ちのよい初夏の色に変わっていた。
東北地方では今が桜の見頃で、東北最北の青森でも満開になったという。被災地でも桜の名所を訪れて和やかな時間を過ごしている方もいたようだ。観光客が減ってしまった日本では、なんとか観光客を呼び込もうと工夫し、いろいろな桜の名所があることが紹介されている。九州では、韓国のブロガー100名以上を招待し日本を紹介してもらうというキャンペーンを行った旅行業者もある。
今日はやっと東北新幹線が青森まで再開して九州から東北まで繋がった。今日の東北新幹線の中から見えたのは、「日本は一つ」というメッセージを心に乗客に手を振っている沿線住民の姿だった。JR九州の「祝!九州縦断ウェーブ CM」が自粛で放映中止になったものの、わずか3日間放映されたそのCMを見た人々から再放映を熱望されYou Tube等で評判になったCM。それを見て感激した東北の人が声を掛け、応援してくれた日本中の人へのお礼も兼ねてそのCMと同じように新幹線で来る人々を歓迎したものだった。
新幹線は便利ではあるけれど、時間の節約が出来る代わりに忙しさを連れて来た。でも、この震災前後に鹿児島から青森まで繋がったことは何か意味があるように思える。