yamayama_photo日記

心に残るよしなしごとを写真とともに書きとめる草ログ

贅沢で穏やか

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1月末に閉店した東高円寺の喫茶[e]は、店主の温かい心とクリエイティビティを感じるカフェだった。

手づくりの空間は古道具の不揃いなテーブルと椅子、切りっぱなしの布のカーテンやクロス類、画用紙の手書きのメニューなど、どれ一つとっても押し付けがましくなくこだわりを感じるインテリアや食器類が、穏やかな空間を創り出していた。楽しみの一つには、店主が一面の壁にブルーが印象的な抽象画を描き続けていたことだ。閉店の次の日には白く塗り直してしまったようだけれど。

一歩店に入ると侵しがたい懐かしさ溢れる空気が充満していた。そこで古い家具は店主のクリエイティビティに彩られ、今を感じる新鮮な空気の中で息づいていた。いつの間にか、時間を感じる天板の色味や、ちょっとした造作を見て辿るようになり、こんなこともアンティークの楽しみ方の一つなのだと気づかされた。

行ったことのないたくさんの国からこだわりのコーヒーのセレクトが揃い、お客さまから見えるテーブルでその人のために一杯のコーヒーを入れていた。

店主はお茶をゆっくり楽しむって贅沢なことだと言っていた。

私はここで何度も生き返った。

 

最近、美味しいコーヒーの穏やかな空気の店に出会うことが増えてきた。

どこも店主のこだわりと愛情が感じられ、そこに行きたくなる心地の良い空間だ。好きなコーヒーと共に空間を選び、ゆっくりとコーヒーを飲み、人間らしく息をする贅沢に身を委ねることができる。

食べ物を味わうときに香りも重要な要素であることにしばしば気がつくが、一般的に情報を取り入れる器官のうち、嗅覚は3.5%を占めていて五感の中では3番目の感覚である。味覚は1%と5番目だ。香り高いということは、コーヒーを味わう時に、主となる味覚以上に他の器官も使う。香り高い飲み物を飲むことは五感をフルに使って味わう贅沢な空間だと改めて感じる。

 

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