フランスの、さわってたのしむ絵本読書室
有楽町 ATELIER MUJI 『フランスの、さわってたのしむ絵本読書室』展
フランスのさわる絵本のパイオニアLDQR=Les Doigts Qui Rêvent(レ・ドワ・キ・レーヴ)の絵本を、さわって読める展示が有楽町 MUJIのATELIER MUJIで開催されている。
視覚障害の子どもたちのために、長く絵本の普及をし続けている注目の団体だ。
絵本読書室というスペース自体もとても気になる。人の感覚はいつも意識しないうちにフル活動していて、本を読むときに多くの感覚で読んでいるはずなので、読む際の環境が本の理解や楽しさには大きく関わってくると思われるからだ。
ATELIER MUJIには会場の模型が展示されていた。最初に会場全体の空間を確認すると分かりやすいと言われている。さわりやすい感じはあまりしなかったが、そのためのものだろうか。
机のつくり、展示するものの間隔、動線の表示として壁の手すりやテープが施され、展示へのアクセスビリティとして音声でのインフォメーションも工夫されていた。ただし、テーブルの高さ、椅子は子ども向けではなさそうだ。
会期中に大阪の民俗学博物館の文化人類学者・広瀬浩二郎氏(国立民族学博物館准教授)のトークショーなどのイベントが予定されていたが、すでにキャンセル待ちになっていて残念だった!! 広瀬さんは13歳の時に失明され、「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もがたのしめるさわる博物館)の実践的研究に取り組み、“さわる”をテーマとする各種イベントを民博のほかでも企画・実施している方だ。
展示された絵本はそんなに多くはなかったが、じっくりさわって読むには充分だった。LDQRの絵本はカラフルなものが多いが、ヤングアダルト向けのシックなものや、デザイン的アプローチのものも数冊あった。壁に吊るした大きなさわるポスターも絵本のように物語が生まれそうなものだった。
日本のさわる絵本は布製や紙製の隆起印刷でできた点字つきさわる絵本が多いが、LDQRはほとんどがボランティアの手作り絵本で、紙製の厚手の製本になっていた。ページにはさわると楽しい素材が貼ってあり、触覚を刺激されてよりイメージが分かりやすく、立体的な空間認識にもつながりそうだった。
同じような素材も使われているが、画一的なイメージが少なく、1冊1冊に工夫が凝らされていた。
2018年6月29日(金)〜2018年9月2日(日) ※7月25日(水)休館日
【有楽町】ATELIER MUJI『フランスの、さわってたのしむ絵本読書室』展 | イベント | 無印良品
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