yamayama_photo日記

心に残るよしなしごとを写真とともに書きとめる草ログ

建築家 フランク・ゲーリー展 " I Have an Idea " 

10月16日から開催された「建築家 フランク・ゲーリー展 " I Have an Idea " 」を早速観に行った。

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会場にはおびただしい数の模型が展示されていたが、建築というより造形的な仕事から始まっていることにワクワクし、これが自由な発想や印象深い動きを持ったデザインに繋がっていくのだと良くわかった。

 

タイトルの " I Have an Idea " は「アイデアがあるから創造する」という意味にとれるだろう。展示はプロジェクトの初期のアイデアの試行錯誤から実際的な定着まで、プロセスを追ってみられる興味深いものだった。

 

フランク・ゲーリーは何度も模型やアイデアをつくっては壊すを繰り返し、創造しているという。
初期のアイデアを確認し、練り直すことを繰り返している模型はとても造形的で、オブジェのようだった。素材の布、木材、紙、樹脂なども魅力的だ。


建築では出来上がりを想定した完成模型をよく目にするが、ゲーリーの場合は3次元の建築であるからまず最初のアイデアの段階から3次元の模型をつくり始める。その模型を中心に、スケッチやコンピュータプログラムでの設計を織り交ぜながら制作しているようだ。2次元図の再現にはおさまらない。
3次元でつくった模型から、コンピュータのプログラムでさらに3次元のブロックをつくって模型をつくり、またそこからアイデアを考えて行くということもある。会場にはいろいろなプロジェクトの造形的な模型が多数並び、初期のアイデアの模型の重要性が伺える。

ヴィデオの中でゲーリーは沢山つくった模型を保管するための経費が膨大にかかると言ってわらっていた。

 

21_21DESIGN SITEは天井の高い会場で広々としているが、展示作品も展示空間もとてもダイナミックで、沢山の模型やテキスト、映像の見せ方に新しい試みがなされ、いつもながら面白かった。
とくにメインギャラリーでは、広さを活かし、大きなスペースで一度にいくつものプロジェクトが進行しているというゲーリー事務所を想像できる展示だった。

 

いつも彫刻のような曲面やうねった形態で、ガラスや金属の素材がのびのびと使われ、驚きをもたらすゲーリーの建築物のこだわりや制作プロセスが伝わって来る展示だった。

この展覧会企画協力の瀧口範子氏が21_21のサイトで次のように書いているが、まさにこのことが展示されていた。

〜アイデア、手作業、生のイマジネーション、感触のある素材、そして高度なコンピュータ・テクノロジー。これらが合体しているのが、他にはないゲーリー建築の大きな特徴である。〜

 

2015年10月16日(金)- 2016年2月7日(日)
21_21 DESIGN SIGHT

http://www.2121designsight.jp/