yamayama_photo日記

心に残るよしなしごとを写真とともに書きとめる草ログ

原爆の図 丸木美術館の冬

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原爆の図 丸木美術館へ、今年も2月初旬のみぞれ混じりの日に学生引率で訪れた。

学芸員の方が絵の解説をしてくださった際、丸木ご夫妻がこの美術館を作った経緯を話してくださった。

戦後これらの絵が国内外を巡回したあとどこへ行くのか、見たいと思う人がどこへ行ったら見ることが出来るのかということを考え、埼玉県東松山市下唐子へ移り住み、美術館開建設を思いたったということだった。都幾川の丸木美術館周辺は丸木位里氏の故郷、広島の太田川上流の風景に似ていたという。

訪れた冬の時期は木々の葉は落ち草木の色は茶色くなっていたが、夫妻の書斎兼アトリエとして使われていた美術館2階の和室から見える都幾川の風景は静かに美しく、落ち着いた気持ちになる。準備されている炬燵に入ると暖かさがとても優しかった。

展示場には暖房は入っていないため、原爆の図を見ていると身体に力が入り言葉もなくただ見入った。

大きな画面のなかに細かいディテールまでしっかり描き込まれている沢山の人物像を見ると、画家が原爆投下後の広島の惨状をそこまで強く目に焼き付けて来たのだろうと思われた。これらの絵は広島から東京へ戻ってから描いている。凄惨な状況だからこそ印象やイメージでなくリアルに冷静に記憶が残るのではないかという気がした。しかし強いメッセージの中にも1枚の絵として見る視点が出てくるし、素晴らしいと思ってしまうことには一抹の躊躇がある。

 

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丸木美術館の周囲は雑木林や散在する家々の広々した庭も多いが、東京からやや離れた比較的土地に余裕がある丘陵のせいか、廃棄物やセメント置き場になっているところが目に入る。

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原爆の図  丸木美術館

http://www.aya.or.jp/~marukimsn/top/history.html