国際子ども図書館
1階から2階への大階段/建築当時からの照明器具が使用されている
帝国図書館から国立国会図書館が生まれ、その支部として国際子ども図書館は国立唯一の児童書専門の図書館として現在に至っている。
本の収集・研究や閲覧サービス、催事、講演会などを行い、海外との連携も行いながら、子どもの読書環境を整えることが目的である。
ネットでの作品紹介なども多様に行っている。
1階は主に子どものフロアで、子どもの部屋は閲覧室となっていて天井全体が照明になっていた。図書の保護のため窓は隠されているが、天気のよい屋外にいるように明るいのに驚いた。中央にある低めな大きな丸いテーブルが使いやすい。
2階は大人のフロアで、閲覧室となる資料室は申込制だが、建築当時のままに美しい彫刻が施された天井は高く窓も大きい、落ち着いた空間を味わうことが出来る。
建物は明治時代からの帝国図書館の施設をリノベーションしていて、近年では安藤忠雄の設計で建物の裏側は外壁を保護するようにガラスの通路が増設され、入り口から裏のカフェまではガラスの通路が新設され、保存修復された。
ガラスの通路からは建物内部にいながら明治時代の建造物へ入って行くような面白い構造になっている。現在の建物の保存修復に関しては安藤忠雄の設計である。
3階のラウンジとなる通路やホールのバルコニーでは古い外壁に触れることが出来るようになっていて、洋館好きな人も多く集まるようだ。
絵本ミュージアムでは「日本の子どもの文学−国際子ども図書館所蔵資料で見る歩み」が 開催中で、本でしか見たことのない「赤い鳥」などの冊子や、児童書、絵本がならんでいたが、児童書や絵本という現在のかたちになってからはまだ歴史が浅いことが良く分かった。
その他、現在の新しい絵本の動行なども紹介されていて、見覚えのある児童書や絵本も展示されていた。
絵本はとくに近年の動向は著しく変わり、子どもの本から大人までが享受するようになり、絵本の解釈は興味あるものになってきた。
この図書館では週末にお話会があり多くの子どもが利用しているようだが、通常は大人の利用が多いように思う。週末のお話会や読み聞かせなどは子どもの集中を保つために年齢制限もしているそうだが、子どもが実際にページをめくって本を読むきっかけになってほしい。
図書館はとくに子どもがいる場合は自宅近所を利用することが多いと思うが、趣のある落ち着いた建物の整備された部屋をもっと子ども達が利用出来るとよいと思う。
2階資料室/大人用閲覧室
模型/
計画ではロの字型の建物だったが正面のみ建築で終わり、昭和になって正面左の棟が増築された。
円弧を描く奥の建物は増築中の書庫