yamayama_photo日記

心に残るよしなしごとを写真とともに書きとめる草ログ

秩父の新しいカフェギャラリー

5月連休の4〜5日に埼玉県の秩父へ行ってきた。のんびりと新緑の里山で温泉と美味しいものと風景を楽しんだ。
いつものように秩父鉄道の各駅列車に乗る。ちょうど羊山の芝桜が見頃なのだろう、冬とは比べものにならない人出だ。
秩父と言うとそばの産地でたくさんの手打ちそば屋さんがある。ということで秩父駅到着後すぐにお昼におそばを食べようと、ガイドブックに載っている有名どころを覗いた。1時過ぎでも人が順番待ちで並んでいて、もうその日出すおそばもないということだった。ちょっと引っ込んだ場所の新しそうなそば屋へ入ったが、手打ちの麺はちょっと薄めで瑞々しくてなかなかのものだった。秩父はどこのおそばもおいしいということ。ここも将来ガイドブックに載るのだろうか。いや、近所のお客さんもいたから載らない方が良いのかもしれない。
そのあと、今回は雰囲気の良いカフェをウェブでいくつか見つけたので、その中の一つ泰山堂カフェを探した。細い路地にあってちょっと迷った。建物の中に1本向こうの通りへ抜けられる通路があって、のれんをくぐって出た所、有形文化財に登録されている建物が並んでいる道沿いに出られ、目指すところがそこにあった。泰山堂カフェの手前にも同じようなレトロな雰囲気のカフェがある。泰山堂は元は印房で(今も営業中?)、ギャラリーにもなっている。ちょっと覗くと混んでいて、手前のカフェShu-Ha-Liに入る。こちらも1階の半分と2階はギャラリーになっていて、秩父で制作活動をしているアーティストたちの展覧会を開催中だった。この建物は元は秩父銘仙の取引所だったこと、小さな扉が沢山並ぶ作り付けの棚や、ギャラリーにある机のようなものも実は電話が入っていたものだということを店の方が教えてくれた。電話の数が半端でないところが銘仙で活気があったころを偲ばせる。
隣にもう1軒、元秩父銘仙取引所がありそこはそば屋となっていた。歴史的建物はその良さを生かしながら新しく生き返ることによって、長く残っていく。博物館にしても良いけれど、使いながら残していくのは大切にする心遣いが強くなると思う。

次の日には、もう一つのブックカフェギャラリーPNB-1253に行った。
親鼻という西武鉄道の駅から徒歩5分。荒川の河川敷にキャンプ場が見えた。そこからの支流の川沿い。やっぱり、ギャラリー併設のカフェ。裏磐梯の光をとらえた写真展を開催中だった。シンプルなギャラリーの奥がブックカフェになっている。古い学校の椅子やシャビーな感じのテーブルなどが並んでいて、前の2つのカフェとは雰囲気が違う手作り感のある自然になじんだ作り。裏が庭になっているけれど、整えられた風景でないところが良かった。おいてある本も懐かしい風を感じる本ばかりだった。
現代的な建築や町も良いけれど、古くからの町や自然とこんなふうにうまく共存して秩父にすんでいこうという若い人たちの機運が高まっているようだった。
秩父は車の交通量が多いのが難だったが、見所の多い観光地というより、時には里山を歩きながら気持ちのよいところ、歴史のあるところを訪ねたり、時には思いっきりたっぷりの自然に囲まれ、山道を歩きに行きたい場所だ。


泰山堂カフェ 手前がギャラリーで奥の開いたステンドグラスの白いドアがカフェの入り口


カフェShu-Ha-Li 数軒先のマンションが残念


カフェShu-Ha-Liにあった電話の棚


ブックカフェギャラリーPNB-1253


ブックカフェギャラリーPNB-1253のすぐ横を流れる川は木々が生茂っている


秩父のアート&クラフト展のポスターがかわいい


小鹿野の民家の庭先にたなびく大きな鯉のぼり。
どこの家もこどもの日に近くなると鯉のぼりをあげるようだ。鯉の数も大きさも半端なく、
のぼりまでたてている家が多かった。旅館のおかみの話だと子供がいなくても毎年あげている
家もあるそうだ。


いつかどこかで見たことのあるような風景。初夏の秩父はのどかな時間が流れる


秩父のシンボル武甲山はセメントの採掘場で山肌が削られている